不健康男児の集い
朝9時からの大会。
受験で培った強靭な精神も、一段落したことへの安堵やらなんやらでぼろぼろに崩れ落ちているであろう「春休み」のさなか、6人の男が案山子宅に集った。
気の抜けた受験生たちにとって、都心から遠く離れた田舎の駅に9時に集合というのはなかなか辛いものがあった。その証拠に、時間通りに集合できたのは実に4人であった。その中に、案山子は含まれていなかった。
弟の起床にあわせて起こされるも、朝食のあと調子をこいて再度寝るという体たらくを見せ付けた案山子は、時計を見てわが目を疑った。8時40分だと…!?駅に着くまでに歩いて10分ほどかかる。歯を磨いたり顔を洗ったりしていれば10分はかかる。間に合わない…!!案山子は顔を覆った。おお、なぜ神はかくも難題をわれに与えるのだ。
案山子は立ち上がった。悩んでいる時間はない。なるべく早く準備を終わらせるのだ。
準備を終え、家を出たのは8時50分だった。別に急がなかったからだ。人生はまだまだ長い。あせっていても始まらない。
駅へと向かう道中、行きつけの犬小屋の前を通る。和み、手を振って犬と分かれる。動物とのふれあいを忘れてはいけないのだ。
そんなこんなで余裕を持って駅に到着。4分遅刻。しかし4人しか見当たらない。
僕「おはよーございます。あれ?M.O.は?」
R.I.「あー彼ちょっと遅れるって。」
なんということだ。遅れてくるだと!?そんなことでいいのか。待ち合わせの時間に遅れてくる奴はモテん。断じてモテん。お前にわしの娘はやらん!
23歳の娘とともに挨拶に来る33歳サラリーマン。この男のすべてが気に食わなかった。顔も、態度も、歳も、職業も。
貴様はこの大事な対談に3分も遅刻したのだ!そんな男に大事な娘がやれると思うか!出直してこい!
しゅんと下を向いてしまったサラリーマン♂を見かね、亜樹は食って掛かった。
「おとうさん!そんな言い方ないじゃない!いつも食事の時間守らないでちびまるこちゃん見てるくせに!」
「おまっ!それ言うなよ!っていうかちびまるこちゃんに食事の時間かぶせんなっていつも言ってるだろ!」
「じゃあいつにしろって言うのよ!サザエさんだってこちら葛飾区亀有公園前派出所だってみたいんでしょ!?わたし6時前に晩御飯なんて嫌だからね!」
「あの、テレビみながらご飯食べればいいじゃないですか」
「「だまれサラリーマン♂の分際で!!行儀悪いだろうが!」」
かくして、サラリーマン♂のお父様への挨拶は、日曜日のアニメアワーの所為で失敗に終わったのだった。しかしサラリーマン♂は負けない。何度でも何度でもお父様に挨拶に向かうだろう。いつか結婚を許してもらえるその日まで…
と、なんだっけ。ああ遅刻してきたって話か。そんな感じで、妄想から我に返るといつの間にかM.O.も来ていたので皆で僕の家に向かった。
この大会は、隙あらば引きこもって遊ぼうという不健康男児たちの大会━━ゲーム大会である。
場所提供者含め2人が遅刻した大会が開始されたのは10時ごろであった。
実にダラダラとした大会で、ダラダラとゲームをした挙句、腹減ったとか抜かしやがるからしょうがなく連れて行ったラーメンは数年前に比べてかなり味が落ち、ダラダラと冷や汗を流す僕の隣でラーメン評論家のごとく厳しい顔でラーメンをすする鶏。
鶏「代ゼミのほうが安いし美味しいね」
はいすんません、もうしません、今度はちゃんと調査してからご案内いたします。
食った後もゲームをしまくる男たち。ちなみに僕と鶏は特殊メイクの一部として手にはめるやつ作ってた。ゲーム飽きたし。
そんな感じで、もう何の集いかよく分からん始末。しかも、特殊メイクに使うGボンドがやたら臭い。シンナー臭い。脳みそ縮む。さらに、ラテックスっていう固まるとゴム素材になる液体があるんだが、それも臭い。アンモニア臭い。でも魚臭いとか、すっぱい臭いとか、いろんな意見が出た。多数決はとらずに、それぞれの意見を尊重する形で提出した。
さて、カオスだった大会の日が過ぎ、代わりに来た日は後期試験合格発表の日だった。案山子、普通に忘れてて発表時刻を1時間過ぎても寝ているという体たらく。母親に起こされて(「あんた今日の発表何時からなの?」)発表時刻を寝過ごしたことを知り、インターネットで調べる。
あー…
あるし。なんかうかってら。
後期試験の当日は、1教科目はじめからトイレに行きたくてしょうがなくて、小刻みに貧乏ゆすりしながら、脂汗をたらしてがんばっていた記憶と、数学が簡単なのは分かるのに答えに自信がもてなかった記憶しかなく、ああこれ落ちたかもなーなんて思っていたのだが…
レールに無理やり戻された気分だった。
まぁ、受かったんだし、まだまだ手はたくさんあるので蹴らずにちゃんと通おうと思います。
いやぁ眠いのもあってすげえ乱文だったなぁ。
あいあむあちゃれんじゃー
321。
何のカウントダウンかと思ったら、よく考えたら3月21日はS.I.の誕生日だったんだ。
もともと、その事実とは別に、3月21日に予定していたことがあった。
スケート。
メッセンジャーで話していたら、急にE.S.がスケート行きたいよね?ときた。
いや、僕スケートできないんだ。実は。そんなことをもごもごとメッセンジャーで発言したのだが聞く耳持たぬ。
根負けした僕はスケートに行くことを決意。これが3月16日くらい。適当だけど。
21日にスケートに行くと決まったのは3日前くらい。集合時間を決めたのはなんと前日という急発進。いやはや。
それでなくてもE.S.は、自ら色々な行事をスケジュールに詰め込んでいるらしく、本当に休んでいるのか非常に怪しい。僕なら風邪ひく。ほぼ確実にひく。
そんなだから、スケートできないことを理由に挙げつつ、あなた疲れてるでしょうと。どことなく反則的な言い訳をして回避しようとしたのだが…まぁ無理だった。
で、2人は嫌だと、遠い昔に僕が言ったことを覚えていたのか、S.I.も誘おうと。そういや21日が彼の誕生日だと。うってつけだと。そんな感じで予定をたてる。
行くとなれば行きたくなるのが不思議なものだ。
滑れないのに。不思議だなぁ。
30分でモノにしてやるぜと、家で啖呵を切ってしまったのもあり、足取りは意気揚々、関取はお相撲さんと、なんだか明るい気持ちで出向いたのだった。
実際やってみると記憶の彼方にあるスケートムズイの記憶はなんだったのかと唖然とするほどあっさり滑れるようになり、フィギュアの練習してビールマンスピンとかドーナッツスピンとか連発している女の子に気をとられながらすべるという高等技術までマスターし、休日だからって一人でリンクに来て猛スピードで走るオヤジを観察してた。なんだかやたらにうまいオヤジで、無性に切なくなった。
*****
オヤジの名前は正志といった。
「お父さん臭いから家にいないでよ!」
亜樹から放たれた辛らつな言葉によるショックから立ち直れないまま、足は自然とスケートリンクへと向かっていた。
亜樹が小さい頃はよくここに来たっけ…
貸し出しのスケート靴の紐をきつく閉め、リンクに降り立つともう10年ぶり近くにもなる氷の感触が、あの頃と変わらないのに驚いた。同時に、あの頃の記憶が鮮明によみがえった。
(お父さん、前に進まないよ)
(じゃあお父さんが引っ張ってあげよう。ほら、右ー左ー)
昔のことを思い出すのは年寄りになった証拠だな。
一人苦笑しながら正志は滑り始めた。休日だというのに客の入りはまばらで、かえってスピードを出せる分、傷心を癒すのにはもってこいだった。
つと顔をあげると、奇妙な3人組がわいわいと滑っているのが見えた。小柄な女性一人と、大柄な青年が一人、その中間くらいの青年が一人。
中間「ちょ!押すな!(押される人)」
女性「ははははは(押してる人)」
大柄「死ね案山子ー!(殴る人)」
楽しそうな3人組をみて、正志は思う。亜樹も彼らのように友達同士で楽しんでいるのだろうか。
正志はぐんとスピードを上げた。娘の言葉を振り切るように。
3人組を抜かすと、正志はさらにスピードを上げ、猛然と滑り続けた。
僕「あのオヤジうめえなー」
E.S.「じゃあ彼のようになればいいじゃないですか」
僕「こんな時間に一人でスケートしに来るオヤジにはなりたくないな…」
S.I.「今日祝日だけどな!」
僕「いや、一人でってとこが主な理由になるんだが…」
やたらとうまいオヤジを見ながらのしばしの休憩の後、3人はまた滑走を始めるのだった。
*****
まぁ、*****で囲まれたところは普通に大部分が嘘なんだけど、そんな事気にしないよね。このブログの読者なら。
何が言いたかったのかよく分かんなくなったけどとにかくスケートにいったんだよ。滑ったんだよ。足痛くなったんだよ。もう直ったけど。筋肉痛にもならなそうだわね。
一日中遊びました。楽しかったです。(変に妄想を働かせて物語りをつくってしまい、オチを見失って無理矢理話を終わらせようとする図)
久々の
皆さんおはようございますこんにちはこんばんは。
サザエではございません。案山子でございます。
とりあえず、今年度の受験が終了いたしました。
つつがなく終了いたしました。嘘。つつがあった(意味不明
とにかく、まぁキリキリ頭働かせなきゃいけない時期は過ぎました。後期の発表が過ぎるまではまったりしていようと思います。
さて、今回前期日程で受けた大学は、なかなかの難関大学。
それこそ、「おまえその分野だったら東大京大に次ぐレベルだよミッチェル」「僕ミッチェルじゃないよマイケルだよ」とかそんな感じ。
しかしこの大学、あることでもまた有名である。
オタクが多い。
この大学行くと美女がいない。確定。
この大学行くと彼女が出来ない。確定。
この大学行くとオタクのお友達がたくさんできる。確定。
この化粧品に出会うまでは自分に自信が持てませんでした。そんなときであったのがキャッチセールスのお兄さん。彼は知り合いですらない私に声をかけてくれ、魔法の化粧品がある、と私に耳打ちしました。はじめは半信半疑だった私も、お兄さんがくれた試供品を3日試しただけでその効能が分かりました。さっそく1か月分を購入し、使い続けた私はもう以前の私ではありません。以前から気になっていたシミもそばかすもすっかり消え、周りの友達からは「美人になったよねー」といわれるほどに。本当にこの化粧品には感謝しています。そんな私も今ではおばあちゃん。孫にあげるのもやっぱり、ウェルタースオリジナル。
マジハマリコスメランキング第1位!!確定!!
とまぁ、途中から何言ってるんだかわからなくなりましたが、こんな具合にすごいんです。オタク度。
でですね、とりあえずまぁ入試なんだしそんなに変な奴はいないだろうと。たかをくくっていたわけです。
大学入試ですよ大学入試。まさかね。自分の地域から離れてからも僕の変態収集能力とでも言うべき引力が働くとは思いませんよ。
なにせ後ろの席だからねえ…
「はぁっはぁっはぁっ」
絶え間なく聞こえる荒い呼吸。ばかな!テスト中だというのに何をそんなに興奮しているというのだ。
案山子は苛立っていた。旅疲れと、都会特有の空気の汚さが、案山子の精神を蝕んでいた。
「はぁっはぁっはぁっ」
いい加減後ろを振り向いて頭を殴りつけてやりたい。しかしそれが許されようか。今は試験中なのだ。
「はぁっはぁっはぁっ」
うっせえええええええええぼけがぁああああああ!
「はぁっはぁっ……ふぅー」
あ、聞こえたのかな?とにかく静かになった。そんな感じで1日目終了。そんな感じって短くまとめたけど数学150分英語90分だよ?ずっとだよ?あり得ないよ?
2日目もそう。物理の時間中ずっとはぁはぁ。お前は1年中悶々男か!
ありえなーいとか思いつつも、まぁきっと彼は鼻息荒い症候群なんだよ。暖かすぎて焦げ目が出来るくらいの目でみてやろうぜ。と、自分をなだめていた。
そして休み時間。
「うふふっ」
…なんだ?
「うふっうふふっうふふふ」
……
振り返るとタオルがあった。
有無を言わさずタオルがあった。
なんか知らんが、とにかく鼻息荒い症候群のその男はタオルに顔をうずめてご満悦な様子。
「うふふふっぶふーっ!ふふ」
きもちわr(殴
いかん!さすがにこれはいかん!書きたい………ブログに書きたい!!
そんなこと思いながら受けたからでしょうか。前期試験では見事に落ちました。
インターネットで確認して、「改ざんの恐れがある」と書かれているのを確認し、これは改ざんされているに違いないとレタックスを待ち、届いたレタックスをみてしょんぼり。しょんぼり街道。まっしぐら。
なんか久しぶりに書くと変な感じがするね。うまくかけないや。いいよね。リハビリだよね。
そんなこんなで後期試験も終わりましたし、いろいろやっていこうと思います。ブログとか。彫刻とか。shadeとか。
では今日はこれにて店じまい。
変態と脳。
変態ってなんだろう。
最近思うことなのだが、どこを基準としてどれくらい逝けば変態なのだろう。
人目で誰もが変態と判断する変態は、やはり言い逃れのしようもなく変態なのだろうけど、CさんはAさんからみると変態でもBさんから見て変態でなければ変態でないともいえるのではないか。
ここには、人が差異によってしか存在し得ないという、悲しい現実の証拠足り得るものが転がっている。
有名なたとえ話がある。
これはもともと人間の記憶力の曖昧さと、妄想力の卓越性についての話なのだけれど、しかしここにもやはり人間の差異による物事の分別の有様を垣間見ることが出来る。
あなたは、いままで食べたなかで一番美味しいアイスクリームを覚えていますか?
この問いに、ほとんどの人が「覚えている」と答えるそうだ。その人にとって、そのアイスクリームがどんなに昔に食べたものであっても、覚えていると答えるそうだ。
実際そんなことはあり得ないと、どこかの脳研究医がテレビで言っていた。
人間の記憶は曖昧なもので、反芻しなければ記憶に留めることさえ出来ない。
しかし便宜上反芻という言葉を用いてはいるものの、牛が、食べたものをもどしてまた食べるというように、「そのものをそのまま」記憶の引き出しから引っ張り出して懐かしんだらまたしまう、というわけにはいかないのである。
「一般人類」における記憶の反芻とは、記憶の上塗りである。
つまり、記憶しているものは、思い出したその瞬間から以前とは違うものになっている。
言い換えれば、あるキーワードに対する関連事項をその時々の状況に基づいて改変、上塗りし、出来上がった新しい記憶のうち印象的な部分だけが頭に残る。そういったプロセスを、反芻といった。
味覚などはその際たるもので、文章のように意味を持たせた言葉の羅列を暗記するようなこととは大きく違う。
さて、ではどうやって人は「一番美味しいアイスクリーム」を記憶するというのだろうか。
それはやはり、以前食べたものとの比較によってしか成り立たないのだ。前述したとおり、味を正確に記憶することなど大多数の人間には不可能なので、以前のあそこよりここの方が美味しく感じる、だとか、そういった類の非常にいい加減な決定をなす。
わざわざ「一般人類」と鍵カッコつきで表し、排他的な雰囲気を出したのも、この説明をより分かりやすくするための意図があったということに気づいてほしい。というのも、確かに、味覚でさえも記憶してしまえる人間もいるからである。
この話を大前提として、僕はあの言葉を発した。
それは、僕が行灯にも学級プロジェクトにも全校行事にも中途半端に不完全燃焼した、学祭が終わったその日であった。
「いままで会った女の子でさ、一番の美人って特定できる?」
何の脈絡もなく一人まくし立てていた友人が急に生じた少々の沈黙を破って切り出した言葉がこれだった。
そのとき僕は既に、先述した事柄に関するテレビ番組を見ていたから、大いに興味のある話であった。
「俺ね、特定できるよ。」
テーブルを囲むほかの3人━僕、鶏、E.S.の苦笑を返事と受け取ったのか、話を続ける。
「中学校のときの友達でね、めっちゃかわいいの!」
………
あれ?終わり?
鶏「………オチは?」
「ん。ないよ。」
鶏「オチのない話をするな!」
終始そんな感じで、なんかよくわからん組み合わせでの回想打ち上げパーティーみたいな、なんかよくわからん会が開催されていた。
鶏の言葉の次に、長く沈黙を守っていた僕が口を開いた。
「そーいやさ、いままで食べた中で一番美味しいアイスクリームって覚えてる?」
会の主催者でありながら、ただニヤニヤと人の話を聞いていただけの置物のような僕が、急にしゃべりだしたと言うこともあってか、皆の注目が僕に集まる。
いや、言い訳するわけじゃないんだけど、中学校以来人前でしゃべるなんてことなくてさ、皆固唾を飲んで僕のこと見てくるから少々緊張してしまった。
「この問いにほとんどの人が覚えてるって答えるらしいけど、実際は記憶ってかなり曖昧だから普通の人は覚えてないらしいよ。」
微妙に鶏とその人の間をみる感じで、もにょもにょと続ける。
「覚えていると思うのはただの錯覚で、実はその後食べたアイスクリームの印象だとか、いろんな味に関するなんかそんなのが混ざってるんだって。」
少し間をおいて付け足す。
「だからお前のそれもそういう類のものなんじゃないかなーと思うんだ。」
………
沈黙。あれ?伝わらなかった?
いや確かにね、「いろんな味に関するなんかそんなの」とか急に言われても、「なんかどんなのだ!?」ってなるよね。うん。悪かった。
本当は、「いろんな味に関する情報や何かが混在してるんだって。」みたいなそんな感じで言うつもりだったんだ。
急にしゃべりだした銅像みたいな主催者が、急に意味の伝わりにくい電波みたいな話を始めた。
今考えると、そんな人が周りにいたら変態認定。うん。疑いようのない変態です。
鶏「なるほどね」
沈黙を破って、ほんとに分かってんだか分かってないんだか分からないような合いの手を入れる鶏。多分分かってなかっただろう。
その後も彼は、オチのない話しを次々に繰り出し、落ちがないけど面白いというよくわからん話をたくさんし、彼の独壇場で幕を下ろしたのだった。
あ、一応書いておくと、「人の顔を長年そのまま記憶し続けることも多分無理だろうから、その人を思い起こすたびに為される記憶の再構築に伴って、その人の顔のイメージを自分の理想の女性の顔立ちに作り直しているんじゃないのか」と、そういうことをいいたかった。
しかし、後から聞いた話によると毎朝通学途中に会うとのこと。ああ。そんなら違うね。
で、ここまでが前置き。受験が終わるまで更新がないと思われるので、いやみったらしく長々と書いてやろうというそういう魂胆。
先日電車で変態さんに会った。
もう、いろんな人に変態認定される僕が変態と言うのだからもう言い逃れの仕様がなく変態。まさに変態。変態の中の変態。サインもらっとけばよかった。
何本かに一本、レトロな赤電車が走る。
僕はこのレトロな赤電車が大好きで、毎日代ゼミ帰りの時間をこの電車に合わせる。
レトロな赤電車の利点は以下の通りだ。
1レトロ
2全くバリアフリーじゃない(いきなり車椅子では克服不可能な高い段差)
3席数が多い(向かい合わせなのはちょっとしょんぼり)
そんな僕の大好きな赤電車、利点3のしょんぼりポイントにあるように席が向かい合わせである。
その日は、とても空いていた。
どれくらい空いていたかって言うと、向かい合わせの4人席を2人で独占した状態。
そんな感じで、僕とあともう一人が、1ブロック(2つの向かい合った2人組みの席)を使用していた。
駅を出て1つ目、僕の斜め前にいた人が降り、1ブロックを一人で独占状態。非常に気分がいい。
しかし、その気分も1駅で終了。変な酔っ払ったオヤジが乗り込んできた。
どっかりと腰を下ろしたオヤジは、とても疲れている様子で、座ると同時に安堵の溜息を漏らした。
ああ、疲れてるんだろうな。お勤めご苦労様です。オヤジ。
-●
○- (○僕 ●オヤジ)
そんなことを思っていると列車が走り出した。
と同時に、親父がもぞもぞと動き出した。
見てないフリをしながら観察していると、靴を脱ぎだしたではないか!
やめろ!その臭そうな足はちゃんと靴の中に閉まって置けよ!
そうこうするうちに既にオヤジはもう片方の足を靴から引き抜いてしまった。
もうこうなったら次にオヤジがしたことは想像できると思われる。
オヤジは、おもむろにその臭そうな足を、向かい合った座席に置いたのだ。
-●
○● (○僕 ●オヤジ(一人))
漂う悪臭。僕の口呼吸モードが自動的にオンになる。
やめろ!やめるんだ!他の乗客に迷惑だろう?
しかしそんな僕のテレパシーは彼にとっては紫外線よりも波長の短くて、知られていない波のごとき存在であるらしく、全く伝わらない。そしてあろうことか、オヤジは自分の体をゆっくりと横に倒し、寝転がってしまった。
●●
○● (○僕 ●オヤジ(一人))
隅に追いやられた僕。いかん!囲碁なら陣地とられてるぜ!なんて心の中で実況中継しつつ、ひたすらオヤジを呪いながら降車駅を心待ちにしたのであった。
世の中には本当に変態が多い。まあ、上の例は変態として紹介してはいるものの、単に常識のない人である。
常識がないということは常識のあるひとにとって見ればすなわち変態でしかなく、また、変態であると判断するのは、他と比べて異常である、普通でないと判断することである。
いじめをなくそう、差別をなくそうだなんて、テレビでわざわざ自殺問題を扱った後に偉そうにのたまっていらっしゃる人も、結局誰にでも同じように接しているかといえば絶対にそんなことはない。自分でそんなつもりはなくても、他に疎外感を与えている可能性だってあるのだ。
差異を認めず迫害したり、はなから相手にしないことはおそらくよくないことだろう。その辺は僕にも分かる。しかし、差異によってしか存在できないことを忘れ、自分自身が他を差別しているというその立場を棚に上げて偉そうに批評するのはどうかと思う。
そんなことをしみじみと考えながら、駅から家に向けて歩いていると、後ろからデューク更家ばりに手を振り歩くオヤジが追い抜いていった。僕は即座に彼を変態認定したが、何でもかんでも自分と区別してはいけない、そんなことをしていたら結局最後に残るのは自分ひとりになってしまうと思いなおし、まずは彼を理解すべく、ひんやりと暗い夜道を、彼と同じデューク更家ばりのフォームで後ろについて歩いたのだった。
さて、おそらく受験が終わるまでもう更新はありません。
というのも、今週の土曜日から前期試験前前日まで禁パ期間(禁パソコン期間)に入るからです。
まぁ、金曜日に更新する可能性もないではないですが、おそらくないでしょう。
ということで世の受験生たち、がんばりましょう。残り数週間の辛抱です。
理由とかいて「わけ」と読む。
特に理由があったわけじゃないんだ。
ただ、暇だっただけ。そう。暇だっただけだんだ。
その日は、いや、その日も、代ゼミで勉強を終えた僕は帰路についていた。
毎日通うとさすがに飽きる道。暗いのもあいまって面白いものなんか見つかりやしない。
憤慨しながら歩いていると、後ろからタクシーが来た。
僕が歩いていた道は広いような狭いようなすごく微妙な道だ。
一人ぼっちで歩くには広いが、30人31脚やるには狭い。コンビニでもらったお釣りを寄付する広い心を持ちながら、5円未満という制限付みたいな微妙な狭さも有するみたいな。
寧ろ、トイレットペーパーがないことに気づいて教科書の目次のページを破いて使うくらいの心の広さだけど、教科書すらなくて、千円札使うくらいなら手で拭く、みたいな微妙な狭さ。
なんかよくわかんないけどとりあえず微妙な道なんだ。
そんな微妙な道を一人謳歌していたのに颯爽と追い抜かしていくタクシー。許されない。
たった今抜き去っていったタクシーを猛然と追いかける僕。
走る走る僕。
夜を駆け抜ける僕。
あ!なんかいい詩が浮かんできそうだ!これなら噂のポエマーにも負けねえぜ!
そんなことを思いながら走る僕。
しかしやはり車ってのは速いもんで、徐々に離されていく。
うおおおおお!相対速度10キロ!15・・・20・・・も・・・もう駄目だよジョン・・・あ、あとパトラッシュ・・・
とか、もう意味わかんない実況をしながら、地味に物理入ってるなあと自分に感心しつつ、タクシーが見えなくなってからは急に黙り込んで黙々と歩くのでした。
そんなこともあって、これなんていうの?カーチェイス?みたいな体験を作り出してしまい、非常に困惑しているのですが、タクシーの運転手どんな顔してたんだろうなァ…追い抜いたと思ったら猛スピードで追いかけてくる歩行者。きっと恐怖に引きつっていたに違いない。
そういえばセンター試験が近いらしい。
でもさ、僕思うんだ。
だからこそ・・・ってね。(かっこよく決めようとしてなんだかよくわからなくなっている図)
センターが近いからって僕の日記は変わらない。
今まで更新サボってたのは勉強だらけだったわけではなく、ただ単に面倒くさかっただけだ。すまん。
いやしかし、せっかくだからセンター終わるまで更新しなくていいやーとか勝手に思っていたのに、もうなんか更新せざるをえないような出来事出来事。
嫌がらせとしか思えん。
昼飯を食べに自習室から1階までエレベーターを使い、食堂があいているのを確認したうえで地下まで階段を使おうとしたのがそもそもの間違いだったようで、自然と目に付いてしまった。受験生への母校からのメッセージ。
北高のはものっそいてきとーなんだけど、他の学校って結構きれいに色紙書いてる。
その、他の学校の色紙の中に、
「いまがんばらずにいつがんばる!」
ってかかれてあるのを見つけたんですよ。感激しましたね。そうだ。僕はいまがんばらなくてはいけない。もうちょっとでセンター試験だ!
そして同時に答えも一瞬で出ましたね。
まずごはんだな。
そうさ。いつだって答えは自分の中にあるのさ!HAHAHAHAHA!!
内心高笑いしながら食べたシチューは格別で、420円も出してよかったという気持ちになりました。
ジラフの年賀状が来た
そうか今年は麒麟年だったのか。
センター試験が近づくにつれ、徐々に受験生らしい勉強をするようになった僕。
勉強時間一日12時間超はそれほど苦にもならなくなり、そういえば去年の今頃も意味もなくこんなことしてたことを思い出しつつ、一日を過ごしている。
しかし、いくら慣れてきているとはいえ、さすがに12時間は人間の勉強時間ではない。阿呆か。12時間以上勉強する受験生は多分いっぱいいるだろう。みんな阿呆だ。
で、やっぱり疲れる。
どのくらい疲れるかっていうと、疲れて家に帰ってきてご飯食べて、風呂入る前にトイレに入って、風呂出た後ボーっとしながら自室を目指そうとしていると、なぜかトイレの中にいて、なぜ自分がここにいるのかと白い便器の前で茫然自失、我に返って、風呂入る前も行ったじゃんと自分に突っ込み、ついでだから出してしまおうと便器の前に仁王立ちするも出るわけがなく、辛うじてでた数滴の小便に満足してトイレを後にし、リスニングを開始すべくラジカセをセットし机に座る。
異様に癖のある英語を話す男の声を聞きながら問題を解くこと数分、強烈な眠気に襲われる僕。
がんばれ僕。もうちょっとだ僕。そんな事思ってたら聞き逃した。
①I'll go get some sand.
②I've had enough.
③They don't serve spaghetti.
④I'd rather have a hamburger.
この中から正解を導き出さなければならない・・・!(もう遅いけどな)
眠くて朦朧とした頭の中で、僕の直感が告げる。①だ・・・ッ!!
男性:おなかがすいた。昼食はもう出来てるの?
女性:もう?まだ11時よ。いいわ、ケビン。今作るわ。サンドイッチとスパゲッティと、どっちがいい?
男性:①砂を取りに行ってくるよ。
とまあ、これくらい疲れているわけだ。僕。
ひどいな。この男の主食砂か!
そんなわけで、疲れている僕はもうちょっとだけ勉強して寝ます。ご愁傷様。何が。ああもう。支離滅裂!
初夢
新年(既に)あけました(ごめんなさい遅くて)おめでとうございます。
しかしあれだね。なんか知らんうちに新年になってたね。2007年らしいですね。今年。イノシシ年らしいですね。今年。
例年、新年を迎えるにあたっては様々なことをしてきた。
地球を持ち上げたり、地球上に居なかったり、写経したり・・・
さあ今年は何をしていたかといいますと、
風呂入ってました。
ええ。風呂入ってましたよ。バッチリ。体きれいにしないと始まんないですもんね。汚れた体のまま新年なんてふざけてますよね。体を清めて新年が始まったんです。あの、決して、普段通り生活していたらいつの間にか新年になっていた、なんてことは、ないので、その辺は、まあ、ご容赦いただきたいというか、なんというか、まああれだ。
僕にだってプライベートがあるんじゃ。(意味不明)
さて、のっけから意味不明な弁解など繰り出しましたが新年です。
わたくしといたしましては、年始めの更新でございますので、何か面白いことでも書いて好スタートを切りたい所存でありますが、なにせ始まったばかりの年、この数日の間にネタが上がるようであるならば、僕の人生はもっとネタにあふれたウフフな人生になるに違いないのです。
まぁ何がいいたいかは皆様のご想像にお任せするとして、初夢のお話をさせていただこうと思います。
昔から、一富士、二鷹、三茄子といって、初夢にでてくると縁起のいいものとして、富士、鷹、茄子があげられてきたのは皆さんご存知の通り。
わけあって、1日から2日にかけてダウンしていた僕にとって、夢を見る時間は存分にあり、もうどの夢を初夢にしていいんだか訳が分からなくなっているのだけれど、まず強烈に記憶に残っているのは、行灯の夢。
場所はどこか分からないけど、行灯を作っている夢。
どこまで行灯馬鹿やねんて。
いやはやしかし、僕は特別行灯が好きなのではなく、物を作るのが好きなのだ。物を作っている人をみるのが好きなのだ。
次に記憶に残っているのは、学校の夢。
僕の出た小学校の廊下で、高校の友達数人で遊んでいる夢。
次に記憶に残っているのは、戦う夢。
自分と同じ存在と戦う夢。
既に書いた通り、夢を見る機会がたくさんあったから、何度も一富士、二鷹、三茄子と唱えてから寝たのだが、結局出てこず。
ちぇ。
皆さんはどんな夢を見ましたか。私は悲しい夢も見ましたが、楽しい夢や心躍る夢ばかりでした。
今年一年、また元気に楽しくいきましょう。
今年もよろしくお願いいたします。
めりいくりすます(ちょっと時期がずれてる)
行きつけのというと少しばかり弊害があるが、毎週欠かさず顔を出すコンビニがある。
月曜日と木曜日に、発売される週刊誌を立ち読みするために、駅から徒歩30秒のサンクスによるのだ。
駅からの近さでは申し分ない。しかしながらこのサンクス、問題点がある。
異様に臭いのだ。
何を隠そうこのサンクス、
異様に臭いのだ。
それはもう怒涛の臭い攻めで、まず自動ドアがガーって開いたときから異臭、踏み込むと悪臭、ちょっとばかり刺激臭、モルモン教徒も思わず改宗、みたいな感じで、とにかく臭い。
しかし、そこは僕と言うべきか、もちろんそんな臭い思いはしたくないので、だったら店を変えろとか言われそうでもあるが、鼻呼吸から口呼吸へとスイッチし、バッチリ臭いガード!みたいな。何だこの文。
このサンクスにかぎらず、僕はいつも臭いものから逃避してきた。
トイレでは必ず口呼吸だし、人ごみでもなるべく口呼吸だし、けばいおばさんを見たとたん口呼吸だし、くたびれたおっちゃんを見たとたん口呼吸だ。それでも、完璧って訳じゃあない。
目に入れば、臭いが僕に到達する前に口呼吸にすることなんて造作もないことだが、あいにく僕の目は二つとも前向きについているのだ。誰か横とか後ろについている人がいたら教えてくれ。サインもらいにいくから。
電車に乗ると一番鼻につくのは加齢臭だ。
それはもう、ある程度年がいくと、男女平等に体から不快な臭いを立ち上らせるようになるようで、電車内では必ずといっていいほど加齢臭がする。
二番目に鼻につくのは香水やコロンのにおいだ。
ある程度年がいくと、男女平等にもわっと加齢臭がプレゼンツされるわけだが、女性は特にこういった臭いを気にするらしい。
ようするに、自分の体に強制装備させられた加齢臭を打ち消すべく、大量の香水をつけている女の人が多いのだ。
確かに、美人がいて、見とれてたらその人から加齢臭、なんて夢も希望もないような自体は避けねばなるまい。
そういった、臭い美人さんたちはどうぞ香水でもコロンでもつけてください。
しかし、なんとも耐え難いことに、浴びるように香水をつけるのは、決まって目を覆いたくなるようなおばはん達なのだ。
とにかく、何が言いたいのかというと、まあ特になにも言いたくはないんだが、とりあえずいまS.I.がメッセンジャーで
「1HENTAI 2HENTAI」
などとのたまっている。変態はお前だ!
そういえば昨日は世間一般で言うクリスマスだったらしく、僕としては冬期講習受講ついでに派手に何かやらかしたかったのだが、お金もないし、時間もないしで結局何もやらないでしまった。
みんなのところにはさんたさんきたかな?
僕のところにはきてくれなくて、かわりにお金がありました。夢も希望もねえ。せめて靴下に入れてくれ。
そんなこんなでクリスマスが過ぎたってことはもうすぐ大晦日で元旦で、つまりは心機一転の時期で、僕も心を入れ替えて色々がんばらなきゃいけないなと思うしだいでございまして、でもよくよく考えると今年ずっとそう思いながら過ごして来たことも思い出されるわけで、みんなはこんな風になっちゃ駄目だよと警告を出しながらも、今日は眠いのでこの辺でやめようと思います。
まあ多分新年明けるまで更新はないだろう。なんかどうしてもかきたいことがあったら書くよ。
ではみなさま、よいお年を。
おひさしぶり。昼休みのデート。
「今日、昼休み、いいかい?」
そう話しかけてきたのは担任だった。無論、オヤジである。
そのオヤジがどうして僕をデートに誘うみたいなぎこちない雰囲気で昼休みの予定を尋ねるのだろうか。
最近の彼はどうして頭の右側だけ禿げてきているのだろうか。
トムとジェリーはお友達なんだろうか。
疑念は尽きないものの、僕の昼休みの予定といったらせいぜい図書室で本を読む程度であったし、何しろこのオヤジはただのオヤジではない。先生であり担任なのだ。
僕「ええいいですよ。」
こう答えるしかない。そうだろ?
「じゃあ12時40分から面談やるから。お昼食べてから職員室来て。」
はてさて、どうしたことか面談の予定が入ってしまった。
しかも僕の記憶からすると、他の生徒には有無を言わさず「昼面談やるから12時40分に~」だった気がするのだが、どうして僕だけ「いいかい?」なんだろう。不思議だ。
昼に担任のオヤジと職員室でデート、なんていう不可解極まりない予定を忘れないように机にメモしておき、これが今はやりの「懸案事項」ってヤツなのかと心の中でほくそえみながら授業を受けること3時間。
机にメモした意味を問いただしたくなるくらいドキドキワクワクと昼休みを待っていた僕は、昼休み突入と共に弁当を広げる。
しかしここでふと気づいた。
デートなら一緒にお弁当食べなきゃ…!
しかし同時に気づいた。
今の僕この上なく気持ち悪い…!
さて、そんな無意味なことを考えながら弁当を平らげた僕は、約束の時間までまだ5分近くあるのを確認しながらも教室を後にする。5分前行動だ。大事だ。
職員室に入ると、担任は僕の資料を見ているようだった。
軽く会釈をして面談が開始される。
実はこの担任とは2年の付き合いなのだが、面談をするのはこの日が初めてである。
「さいきんどうだい?」
僕「えっと・・・どうってのはどういうことですか」
わかっているのに聞き返す。常識。
「勉強はかどってるかい?」
僕「ええまあ。」
その後、すでに返却されている模試のデータをみればわかるくらいの浅さで読み上げ、政経が駄目だね勉強してるかい?なんて聞くもんですから、ええ最近してますよってなことを答える。なんかつまんないからこっちからも手を出すことにした。
僕「模試やなんかでは、2つまでには絞れるんですけどどっちが正解かわからなくて間違えるってことが結構あるんですよねー。」
「ああーあるねーそういうの。じゃあ、正解だと思ったほうじゃないほうを選ぶとかさ。」
僕「…」
いいのかそれで!
いや確かに無茶振りだったさ!だけどそこはもうちょっと考えてさ、「そういう曖昧なところを一つずつつぶしていかなきゃね」とかさ、それくらいの答えを期待していたんだけど間違いだったのかなっ!?
いやまさか。そうささすがにちょっと無茶が過ぎたんだよ。きっともっと現実的かつ答えのある質問をすれば…きっと…
僕「北大には建築っていう明確な学科はなくて、『建築都市コース』がそれに該当するそうなんです。それがよくわからなかったから先日北大の教授にメールして聞いてみたんですよ。そしたら、『コース選択はやる気と成績によります』って返ってきたんですけど、北大の『建築都市コース』って結構厳しいんでしょうか。」
「わかんない」
だろうね。
予想通りだったよハニー。
その後、質問に答えられなかったのをすまなく思ったのか、昔の建築関係の仕事等について延々と語る担任。その間今の情報全くなし。
ねえ、今は!?今はどうなの!?
さらに、志望校は3つくらいあげていたのだが、それについてはほとんど触れず、もう何のための面談なんだか全くわからなかった。
最後の方は僕も諦めてすごくどうでもいい話を一緒にしてた気もする。
そして僕は今思うんだ。
あれ、面談じゃなくてデートだよね?破局が明確に決定するデートだよね!
少年の驚愕
「「「さーいしょーはぐー!じゃーんけーんぽん!」」」
「最初はグーって言ったじゃん!」
「最初にグー出したしょ!」
・
・
・
小学生低学年だろうか。
僕が2次元と3次元、3次元と4次元の関係から、4次元目の軸は時間じゃないということを証明しようとしていると、なぜか時間移動は出来ないといった結論に至ってしまい、あまりの夢のなさにどうやって自分の論を切り崩そうかと思案しながら、駅から家にむけて歩いていたときのことだった。
彼らは小学生特有の大きくて高い声でわめきながら僕とすれ違って行った。
そのほほえましさというか、幼稚さに、自分の小学生のことを思い出す。
その頃の僕にとって、じゃんけんとは「さいしょはーぐー」から始まるもの以外にはなかった。
「さいしょはぐー」を省略し、「じゃーんけーん」から始めるなど、言語道断であったわけだ。
そんな僕に、転機が訪れる。
それは、ゴミ捨てのじゃんけんのときだった。
僕は比較的控えめな方で、じゃんけんの音頭など率先してやる方ではなかった。
そして何より、流行への興味の希薄さから来るものか、ひどく流行に疎かった。今もそうだが。
「さーいしょーはぐー!」
だから、そのとき音頭を取った彼が、次にこう続けたのを聞いてひどく混乱した。
「またまたぐー!いかりやちょーすけ、あたまはぱー!」
何!?いかりやちょうすけは頭パーだったのか!?なんて思う暇もなく、いつ自分の手を出せばよいのか混乱する僕。
とりあえず知ってるふりしてみんなに合わせるしかない!
「せいぎはかつ!じゃんけんぽん!」
奇想天外なじゃんけんによってゴミ捨てを強いられた僕は、そのとき決心をした。
次は、僕が主導権を握ってやる。
そして、家にかえるや否や弟と共にかんがえた。その結果がこれだ。
「さいしょはぐー!またまたぐー!いかりやちょーすけ、あたまはぱー!せいぎは勝つとはかぎらない!じゃんけんぽりぽりかとちゃんぺ!みんなできゃいーん!うどかっとんかつちゃーしゅーめん!六月十三日不吉な日!っとだす馬鹿ガエルビーでじゃんけんぽん!」
ちなみに、「ウドカット」と「とんかつ」の「と」を重ねてリズムを調節し、「不吉な日!」で手を出すかと思いきや実は違い、「馬鹿蛙」と「ルビー」の「る」を重ねてリズムを調節するなどの涙ぐましい、当時の僕には画期的な技法を駆使するも、結局は「じゃんけんぽん」で締めるあたりが、小学生たる所以なのではないだろうか。
結局、弟と頭を悩ませながら作ったこの「無駄に意味不明で長いじゃんけん音頭」は、最後の「じゃんけんぽん」のせいか、しょっぱなからばればれで、あの時間は無駄だったのか!などど落ち込む僕であった。
いかりやちょうすけは頭パーじゃないよ。
再びゴミ捨てじゃんけんの日が訪れた。
頭を悩ませて作ったじゃんけん音頭が見破られ、どーでもよくなった僕は音頭をまた彼に譲っていた。
そして彼はまた、音頭をとり始める。
どーせまたよーわからん長い音頭が続くのだろうが、流行最先端な僕にはもう通用しないぜ!
彼「さーいしょ
っから!」
そして彼は、唖然とするほかのメンバーをよそに、ブヒブヒと下品に笑いながら一人勝ちで抜けたのだった。